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ANT☆LESカーボンロード

跨るや否や

「こんなん乗れねぇ・・・」

となったカーボンロードですが、その原因は自分のせい。
見様見真似で考えたフレームジオメトリ&かっこいいと思って作った大きすぎるサイズ(550。
特に当時クリテリウム向きの自転車が欲しくてクイックハンドリングを意識したものだから、乗った瞬間フラフラ・・・。

そんな記憶を元に30年間師匠のところに有ったANT☆LESのカーボンロードを見ていく。

最近は乗っていなかったせいか、埃は被っている物の、全体的には綺麗な状態。

パーツは懐かしの7400系デュラエース中心。当時のロードレーサーはみんなコレだった。組んだ当時はすでにSTIが出ていて、ブレーキ本体もデュアルピポットがあったんだけど、自分はデザイン的に元のブレーキが好きだったので、この状態にSTIを組んで使っていた。
けど、師匠のところに里子に出す時にフラットバーにしたので、変則はWレバー。今となっては貴重なんじゃないだろうか。

クランクだけは当時の600アルテグラ(6400)。なんでここだけケチったのか忘れたけど・・。

当時の7400STIやクランクはどうなったか?というと、このフレームの後に買ったコルナゴに付けていて、その後群馬CSのレースで落車した(&仙台に引っ越した&社会人で忙しくなった)ことをきっかけに、レースをやめてしまい、コルナゴは売却してしまった。

さて、このANT☆LESカーボンロードをどうしたものか。

サイクルメイトヨシダの記憶

久しぶりに対面したロードバイク。
実は30年前に自分がオーダーして作ってもらったもの。
オーダー。

単に色とかのオーダーではなく
各パイプの角度までオーダーしたもの。

ここからちょっと昔話。
作ってくれたのは当時の「サイクルメイトヨシダ」。
今は「Y’sロード」に名前を変えて大規模展開をしているが、自分がお世話になっていた頃は「サイクルメイトヨシダ」。もっと前は「吉田自転車」。

初めて行ったのは1985~6年くらいだったかな。
埼玉県志木のサイクルメイトヨシダ本店でオリジナルブランドとして販売していたS2(スコーピオン2)という名前のキャンピング車を買ったのが最初。
それまでは朝霞のカネコ自転車(今のカネコイングス)で買ったロードマンに乗っていたのだけど、高校に入ってから、より遠くまで旅ができるようにってコトで。

ちなみにその時に買ったキャンピング車は今の実家の物置に逆さまになってぶら下がってます。これまた30年くらいこの状態。

この自転車ではあっちこっち旅をしたのだけど、その話はさらに長くなるので割愛。

サイクルメイトヨシダでは、その後これまたオリジナルブランドで出していた「シャウラ」というロードバイクを購入。これはシマノ600EXで組まれていた。まぁS2もシャウラもOEMで、確かFK(フカヤ)だったんじゃないかな。

その後大学生になった自分は、ヨシダが新しく池袋に出店した「チャーリー」に入り浸り、やがてそのままバイトになった。
当時の店長は吉田肇さんという方で、この人が自転車についてはめちゃくちゃ詳しい。古いランドナーやパーツについていろいろ教わった。(今も志木の本店にたまに出勤されているそうだ。)

当時のヨシダにはオリジナルオーダーブランドで「ANT☆LES(アンタレス)」という自転車があった。これは山岸さんと言うフレームビルダーが工場で作っていたクロモリの自転車で(大半は)正真正銘のヨシダ製自転車だった。

さて1992年当時の自転車業界は「新素材」が話題だった。
少し前からあったレイダックやMTBのクラインのアルミフレーム、TVTのカーボンフレーム、パナのチタンフレームなどなど。

そんな頃に「ANT☆LES」でもカーボンを手掛けることになった。最初はMTBのハンドルバーだったと思うけど、次にMTBとロードのフレームを作ることになった。
当時ロードレースに出ていた自分は、コレに飛びついた。
少ない知識でフレームの設計を考え、クリテリウム向きのクイックなハンドリングを意識してオーダーをしたのだった。

そして出来上がったフレームは前三角がカーボンパイプの接着。バックとフォークはクロモリという、その次の世代とは真逆の構成。まさに試行錯誤の時代だったワケだ。
当時の定番7400系デュラエースで組み上げて試走。

この時の衝撃は今も痛烈に覚えている。

「こんなん乗れねぇ・・・」

自転車生活リターンズ

「自転車取りにおいで」

突然の連絡があったのは4月中旬の頃。
相手は自分が師匠と仰ぐ大先輩。
年齢はすでに80歳を超えている。

今から30年前、師匠がまだ50代の頃に
「自転車が欲しいんだよね。カッコイイやつ」
と言われたことがあり、当時レースに1回使っただけの試作ロードバイクを街乗り用にして、お渡ししたことがあった。

聞けばこのロードバイクに乗らなくなったので、返却しますよ、という話だった。

なにせもう30年も前の話なので、あの頃の自転車がどうなっているんだろう?という興味もあって、5月に入ってから大磯の師匠のご自宅に伺うことになった。

10年ぶりぐらいにお邪魔した師匠のご自宅。ガレージの壁に”ソレ”は掛けてあった。ご丁寧に壁に自転車保管用の器具を取り付けて飾るように保管してあったのだ。
30年ぶりに対面する元自分の自転車。想像している30年モノとはだいぶ違って、ソレはかなり綺麗な状態だった。
師匠の身長に合わせて、低くセットされたサドルと、街乗り用に高めにセットされたフラットバー。大きな傷もなく、サビも無い。

師匠の几帳面な性格がよくわかる保管状態だった。
これはこれは。